『僕のヒーローアカデミア』の物語の中で、ヴィラン連合の一員として登場する黒霧。その正体が、かつて雄英高校でヒーローを目指していた青年・白雲朧だったことが判明し、多くのファンに衝撃を与えました。

本記事では、本編では語られなかった彼の悲劇的な過去と、スピンオフ『ヴィジランテ』で描かれた伏線を交えて、黒霧＝白雲朧の真実を徹底解説します。

黒霧の誕生には、オール・フォー・ワンの存在や「脳無」技術といった闇が関係しており、知れば知るほどその切なさが胸に迫る展開となっています。

黒霧の正体は白雲朧だった！｜本編とスピンオフの時系列から検証

『ヒロアカ』本編で明かされた黒霧の正体

『僕のヒーローアカデミア』に登場する敵連合のメンバー、黒霧は、ワープゲートという強力な個性を持つヴィランとして物語の初期から登場します。

しかし物語が進むにつれて明らかになった衝撃の事実——彼の正体は、雄英高校時代の相澤消太とプレゼント・マイクの親友「白雲朧（しらくも おぼろ）」だったのです。

この設定が初めて本編で明かされたのは、『僕のヒーローアカデミア』第253話以降で、タルタロスでの面会シーンでした。

『ヴィジランテ』で描かれた白雲朧の姿

スピンオフ作品『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』では、黒霧の正体である白雲朧の学生時代の姿が詳しく描かれます。

彼は明朗快活な性格で、相澤・山田（プレゼント・マイク）と行動を共にするムードメーカーでした。

特徴的な水色の逆立った髪と、孫悟空を思わせるヒーローコスチュームが印象的で、彼のヒーロー名は「ラウドクラウド」。

雲を発生させる個性を持ち、それを使って支援や救助を得意としていた人物です。

なぜ白雲朧は黒霧になったのか？｜オール・フォー・ワンの影

オール・フォー・ワンによる人格の書き換え

オール・フォー・ワンが白雲朧の遺体を回収し、ドクター（志賀丸太）によって改造されたことが示唆されています。

これにより、彼は脳無として再構成され、新たな個性「ワープゲート」を付与されました。

しかし、完全な洗脳や記憶の上書きは成功せず、黒霧には白雲の“意識の残響”が微かに残っていたのです。

白雲朧の死と“脳無化”のプロセス

白雲は、インターン活動中に大型ヴィランの襲撃を受け、子供たちをかばって瓦礫の下敷きになり死亡。

この死が正式に発表された後、火葬前にドクターによって遺体がすり替えられたと考えられています。

その肉体は耐久性と精神力を兼ね備えており、脳無の中でも特別な“知性を持つ個体”として作られたのです。

相澤とプレゼント・マイクとの友情と断絶

雄英時代の3人の関係性

白雲・相澤・山田の3人は、インターン先がなかなか決まらない“問題児トリオ”でした。

しかし、彼らは「将来、3人で事務所を作ろう」という夢を語り合い、深い友情で結ばれていました。

相澤が後に使うゴーグルは、白雲が目潰しを防ぐために贈った「友情の証」です。

白雲朧の死が相澤に与えた影響とは

白雲の死は相澤にとって大きなトラウマとなり、以降彼は「生徒を死なせない教師」になることを決意します。

プレゼント・マイクとの絆も一時的に距離が生まれるきっかけとなり、黒霧との再会は彼にとって魂を揺さぶるものとなりました。

アニメ・原作で描かれなかった裏設定と伏線

堀越耕平先生のコメントに見る意図

作者・堀越耕平氏はインタビューで、黒霧＝白雲の設定について「ただの敵にしたくなかった」と述べています。

敵でありながら過去に“ヒーローを目指した青年”だったというバックボーンは、物語の奥深さを生み出しました。

『ヴィジランテ』に隠された黒霧誕生のヒント

『ヴィジランテ』では、白雲が死に至るエピソードや、ドクターの存在が仄めかされる場面が登場します。

読者が「もしかして…」と思わせる演出が随所にあり、原作での真実発覚を盛り上げる伏線となっていました。

黒霧と死柄木の関係性｜なぜ忠誠を誓うのか？

脳無としてのプログラム？それとも意思？

黒霧が死柄木を守る姿勢には、単なる命令以上の意志が見られます。

これは白雲の「仲間を守る信念」が残っていることの証左かもしれません。

白雲朧としての“残滓”は残っているのか？

本編での面会シーンでは、相澤と山田の声に対し、黒霧が反応する描写があります。

その後、彼は「病院」という言葉を発し、重要な情報を提供。

これは白雲の自我が一時的に蘇った証拠とも取れ、多くの読者の涙を誘いました。

『黒霧＝白雲朧』の真実まとめ｜ヒロアカ世界に残された希望とは

敵とはいえ、元は仲間だった存在が戻ってくることはあるのか。

『ヒロアカ』という物語において、“敵にだって過去がある”というテーマを象徴するのが、この黒霧＝白雲朧というキャラクターです。

もし彼の中に残された記憶が力を持ち、彼自身が再び「自分を取り戻す」ことができれば、

それはヒーロー社会の再生の兆しとも言えるのではないでしょうか。

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